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彼女はこんな話をしてくれた

 

 

小学生頃、転校生がやってきた
彼は先生に手招きされ、黒板の前にちょこんと立った
私は、転校生なんだ…とただそれだけだった

 

 

彼は先生に促されて、自分の自己紹介を始める
それは、私が思い描いていた通り一片の自己紹介とは違った

 

 

彼は、自身の名前を告げたあと
おもむろに帽子を取り
「僕は、このように髪の毛がありません、病気です
 でもみんなと仲良くしたいです」
教室内は一瞬ざわつき
そのざわつきを先生が静めるかのように
静かにしなさい!の声がこだまする

 

 

私はその時のことを今でも覚えています
驚くよりも、怖いと思ってしまいました
病気…
と理解できても、怖い!と思ってしまった
うつるのではないかと…
今まで出会ったことのない人
こんな人がいるのかと…
その衝撃はしばらく続きました

 

 

でも、今思うのです

 

 

彼の行動は、とても素敵なことだった
とても勇気あふれる行動だったと…
怖い!うつる!と思ってしまったあの時の私が恥ずかしい

 

 

ケーキを一口運びながら
よみがえってきた思い出を話してくれた

 

 

彼女の素直に沸いた感情はとてもシンプル
初めて見た光景に対して
ドキドキしたり、ワクワクもする
そして、驚きもあるだろう、悲しい、恐怖といった
そんな感情も
大切なのはそのあとだ
そのあとなんだよ

 

 

では、転校生はその後クラスに溶け込んだのか…
書かなくても想像はつく
彼に対しての、言葉の暴力、いじめが発生したそうです

 

 

ここで、私が言いたいのは
いじめを無くしたいとか、病気を理解して欲しいとか
丸くなって手をつなごう、仲良くしましょうってことではない
まだ、知識の少ない子どもに対して
大人の対応ができていないこと
かわいそう、大変、辛そうなんて言葉は必要ない

 

 

何が必要か…
その子を応援する言葉なんです、行動なんです
もし、言葉が見つからなくても
そっと、背中を押してあげるのも行動のひとつ
それだけで、当事者の子も大人のあなたも
それを見た同級生も何かを感じるはずです

 

 

人は、極端な変化を求めます
変わらないなら変えてやろうと…
もちろん、その気持ちや勢いは大切です
それと同時に、動かす力もたくさん使う
それを一人で行おうとすると
どうだろう…

 

 

だから私はスモールステップ
私が小さな行動をすることで、
誰かに気付いて欲しい
興味を持って欲しい
それがどんどん輪になっていけばいい

 

 

だから私はAlopeciaとして
messageを伝えています